補助金・助成金マニュアル | 中小企業向け一覧やまとめ

中小企業経営者や個人事業主の方が、「助成金」や「補助金」を活用してより事業を推進できるよう情報を集めました。

補助金や助成金の虚偽申請(不正受給)したらバレる?判例・罰金など

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「書類を改ざんすれば、助成金がたくさん貰えるとコンサルからアドバイスされた。」

補助金の横領は、意図的でなくても罰せられるの?」

「社労士や行政書士に指摘されたけど、面倒だから放っておいても大丈夫?」

 

と、お悩みの中小企業・個人事業主の皆さん!補助金助成金の不正受給は、絶対にしてはいけません!なぜなら、それは「リスク」が大きすぎる上、バレた場合にはあまりにも「損」だからです。

 

今回は、そんな不正受給や虚偽申請の事例や、実際にバレた場合にどのような措置を国が取っているか?について解説したいと思います。

 

 

よくある虚偽申請や横領

発注書・購入日の改ざん

ものづくりやIT導入補助金などについては、サービスや設備を購入した期間によって、補助金助成金が出たり出なかったりします。

つまり、一定の期間の間に購入されていないと、適用されないという事です。

こういった時に、たいして変わらないからと一週間前後この期間に入るように調整すると虚偽申請や改ざんとなります。

これは公募要領にも禁止事項として明確に書かれています。例えば、平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業の公募要領P31には、次のように書かれています。

補助事業者が「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号」等に違反する行為等(例:ほかの用途への無断流用、虚偽報告など)をした場合には、補助金の交付取消・返還・不正の内容の公表等を行うことがあります。

購入した物品の金額の増額

また、よくあるのが購入するサービスや物品を、購入した金額よりも高く領収書を切ってもらうような行為です。

例えば、以下のような事例がそれに当たります。経費計算などで日頃からまさか取引先とこういったことはやっていないと思いますが、明るみに出た場合には詐欺罪などで訴えられる可能性が高いです。

(例)A社はB社のサービスを年50万円で利用しているが、B社に対して「60万円支払うから、領収書100万円で切ってくれない?」と頼みました。

A社は、100万円以上のサービスを購入した場合に国からの補助金が50万円出ることになっていたので、B社に60万円払ったとしても、A社はたった10万円でサービスを受けることができました。

 

虚偽申請・改ざんした場合の判例・罰金など

3年間の新たな助成金申請の禁止処置

助成金の不正受給が発覚した場合は、その不正受給に関する助成金が不支給になるだけではなく、今後3年間は雇用関係の助成金は一切申請できなくなります。

不正受給が明らかになった事業主については、不支給決定を行い、すでに助成金が支給された場合は返還を求めるとともに、不正行為が特に悪質なもの※については、すべての雇用関係助成金が以後3年間の支給停止となります。(※実態と異なる書類を作成して提出することは「悪質」とみなされます。)厚生労働省資料参照

経産省のHPに補助金交付等停止措置企業として掲載

こういった不正行為が明るみになると、あなたの会社の名前が経産省から「交付停止をしました」という形でHPに掲載されます。

つまり、あなたの会社の名前で「検索」したときに、こうして何かしら問題があったという事実が経済産業省のホームページに掲載されるということです。かなりリスキーですよね。

経済産業省は、以下の事業者に対して、本日付けで補助金交付等の停止及び契約に係る指名停止措置を講じました。

1.「中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業」において、整備工場建屋の修繕及び設備の取替えに要した経費を過大に精算していた事案について、以下の事業者に対して補助金交付等停止措置を行いました。なお、この補助金については、既に返還されています。

対象事業者株式会社金森自動車整備工場(法人番号73800010048643)

補助金交付等停止措置期間本日から12ヶ月(平成30年4月6日から平成31年4月5日まで)

補助金交付等の停止及び契約に係る指名停止措置を講じました(METI/経済産業省)

刑法により詐欺罪で告訴されます

労働局や国家を相手取った詐欺罪となるので、非常に重罪かつ、ほとんどの場合に有罪判決となっているようです。

詐欺罪で有罪となった場合は、10年以下の懲役となり、詐欺罪では執行猶予がつかないので、そのまま実刑となるケースも多いようです。

PEZY Computing社による研究開発費不正受給事件

スーパーコンピューター開発のPEZY Computingが「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の補助金を不正受給をしたというニュースを聞いたことがありませんか?

この時、PEZY Computing社に補助金交付等停止措置を行われただけでなく、PEZY社の鈴木社長も詐欺罪で起訴されました。

国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の助成金を巡る詐欺事件で、東京地検特捜部は25日、スーパーコンピューター開発会社社長、斉藤元章容疑者(49)ら2人を詐欺罪で起訴した。

スパコン会社社長ら起訴 国の助成金詐欺の罪、東京地検:朝日新聞デジタル

太陽光発電システム販売会社による雇用助成金不正受給

また、厚生労働省の雇用系助成金に関しても、詐欺罪が適用された事例があります。

中小企業向けの国の助成金をだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われた太陽光発電システム販売会社の実質経営者、前山亜杜武(あとむ)被告(52)に対し、東京地裁は14日、懲役2年8カ月(求刑懲役4年6カ月)の実刑判決を言い渡した。法人税法違反の罪に問われた同社には罰金2800万円(求刑罰金3600万円)を命じた。

駒田秀和裁判官は「組織的、計画的な犯行で悪質性が高く、実刑はやむを得ない」と述べた。弁護側は控訴する方針。

判決によると、前山被告は「日本電機サービス」(現・日本スマートハウジング、東京都港区)を運営していた2011~13年、人材育成会社社長(43)=公判中=と共謀。「中小企業緊急雇用安定助成金」(当時)の受給要件を満たしていないのに東京労働局に虚偽の申請をし、約4700万円をだまし取った。

http://www.asahi.com/articles/ASK6F7SS7K6FUTIL07Q.html

受給額+加算金が請求されます

不正受給に関しては、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」に基づいて返還処理が行われることになります。

 

結論から言えば、受け取った金額について、年10.95パーセントの加算金が追徴されます。

(例)1000万円を不正受給していた場合には、1年後に約109万円が加算金として発生します。

 

※加算金に関する事項については、この法律の19条を確認してください。

第19条 補助事業者等は 第17条第1項の規定又はこれに準ずる他の法律の規定による処分に関し、補助金等の返還を命ぜられたときは、政令で定めるところにより、その命令に係る補助金等の受領の日から納付の日までの日数に応じ、当該補助金等の額(その一部を納付した場合におけるその後の期間については、既納額を控除した額)につき年10.95パーセントの割合で計算した加算金を国に納付しなければならない。

【結論】助成金コンサルの「儲けられる」という甘い言葉に注意

まとめると、助成金補助金の不正受給によって、以下の4つが少なくとも降りかかってくることがわかりました。

助成金の停止処分及び3年間の新たな助成金申請ができなくなる。

経産省のホームページに「不正を行った企業」として名前が残る。

・刑法上詐欺罪で起訴され、責任者は執行猶予なしで10年間懲役となる。

・受給金額の返還及び加算金がついてくる。

 

助成金補助金に詳しいコンサルタントは、

「ここの数字を変えるだけで、簡単に補助金助成金で儲けられますよ。」

「同業の他の会社もみなさん賢こくやられていますから。」

「大丈夫です。口を破らない限り、多少の改ざんをしてもバレません。」

と、それは甘い言葉であなたを誘惑してきます。実際、こういった形で不正受給して、普通にしている経営者の方も0ではないのが事実だと思います。

 

しかし、万が一バレた場合のリスクがあまりにも大きすぎます。なんせ相手は国なのですから、ほとんどの場合、勝てるはずがありません。

 

 

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